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「自分にもあのくらい運動能力があったら・・・」
「うちの選手もあれくらいなんでもできたらナァ」
たまにそんなことを考えませんか?
器用でバランス感覚が良くて、難しいポーズなんかとれたり、身軽にピョンピョン跳びはねたりバク転してみたり。
基本的な運動の素養というか、よく言う運動神経が優れているというやつですね。
ベースにそのくらいの運動能力があったら、バスケットボール選手としてもっと上にいけていると考えたことがないでしょうか。
育成が重視されて、基礎能力の発達に少し目が向くようになっていると感じています。
ただ基本的には、バスケ畑の人はバスケだし、野球畑の人とはやっぱり野球が中心にあって、まず競技まずゲームです。
運動の基礎が伸びるような種目ならば、そのスポーツをするだけでも能力は上がりますが、技術的に高度な競技であるほどそれが下がります。
またゲームでの勝ち方にウエイトが置かれていくほどに、能力向上はまた遠ざかります。
たとえば陸上、水泳、新体操といった種目は、基礎運動能力の有無が競技力に直結していますし、武道もそれと似ていますが、柔道などはポイントを狙って勝つことが主体となれば、運動能力は一番ではなくなるかもしれません。
ではバスケットボールはどうでしょうか。
特異な動きやルールの多い種目です。
また展開が早くコートも狭いので、競技として難易度の高い部類の上位に入るでしょう。
そうなると、運動のしかたがまだあまり身についていない年代からバスケットボールにどっぷり入ってしまうと、プレイに器用になることがまず第一になるかもしれません。
コートでどう巧くバスケットボールをするか、そこの習得が重視されると運動能力は後回しにされてしまうでしょう。
難しい競技だけに、とくに歳の幼い子には複雑だから、バスケ的なプレイ感に慣れて、上手にそれを展開するスキルを覚えることに必死です。
無理のある動作でテキトーにボールを飛ばしたりドリブルしたり、それでもシュートが入るパスが通る、ディフェンスが成功するということでゲームとしてはグッドプレイです。
そうなる可能性が多分にあるのが、バスケットボールという競技だということです。
とくに日本においては。
高い運動の素養を以てしてバスケットボールスキルがあるのか、はじめからゲームで勝つためにバスケットボールスキルを覚えるのか。
それは育成とか、年代によってルールを変える制限する、そういう対処的方法ではいっこうに前進しません。
バスケットボールだけで考える問題でも本当はなくて、日本の生活環境や教育にこそ目を向ける必要があります。
建物だらけ人だらけ車だらけ、遊び場所がなく事件や苦情も多く、家庭も少人数で子どもが育つには少し息苦しい時代です。
でもそれは変えようがないから、家庭ごとに工夫し個人でなにかうまくやっていく他ありません。
あまり競技に入れ込んだり、反対にゆるくし過ぎると健全性が失われます。
伸び伸び活き活きと運動およびスポーツをできる環境を、どうにか自分で見つけていくことです。