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スポーツの勝ち負けに要する条件とは、大部分が選手の素材です。
優秀な人材がいれば勝てる可能性は上がるのであり、強いチームは中学や高校でも才能ある選手を集めています。
その上に練習環境や鍛練はプラスされますが、まずド真ん中にあるのは技量の優れた選手、運動能力の高い選手、競技に優位な体格を持ち合わせた選手の有無、さらにはその人数で決まります。
優秀な人材が何人もいるチームはそれだけで圧倒的に好条件ですが、それがないチームはどうするか?
僕らはまさにそこで勝負しています。
戦力に恵まれたチームなどごく一部であり、都道府県ごとで見ても多くを占めるのは一般的なチームと選手です。
鍛えて鍛えて、長い歳月をかけて築き上げる膨大な労力の上にギュンと伸びてこその、他人から見れば奇跡のような成果結果なのです。
▼夢が実現
つい先日、出張で移動していたときにある先生から電話をもらい、開口一番に「県大会3位で彼岸のブロック大会に出場が決まった」との報告を受けました。
正直に言ってかなり驚き、また心から感心し安堵もしました。
はじめに申し上げた勝ち負けの条件としては、人材のみならずすべてにおいてあきらかに良くないからです。
公立高校の先生はそう長くない任期を背にチームづくりをします。
練習環境は悪く、コートの割り当ては少ないし放課後の開始も遅い、模試や補習なども頻繁にあります。
そしてなにより、人材がありません。
勉強についてはそれが本分ですから当然のこととして、コートの割り当ての工夫、部員が少数でも叩き上げて強い戦力に育てる地道さ緻密さを持たなくてはいけません。
それがどれだけ大変か。
しかも今どきの家庭環境も含まって一層のこと、人材のないチームが勝つことは難しい。
それくらい細い道を根気強く、草を掻き分けて歩き続けた報いがこの悲願のブロック大会出場です。
勝てそうなチームで勝つことは順当であって、負けるしかない乏しい戦力を伸ばしまくって大逆転するからこそ、勝利の価値はズッシリと重みが増します。
地区レベルのチームが県の中核を狙い、ベスト8,16ならば県トップクラス、県優勝のチームにおいては全国での勝ち上がりを本気で果たそうと強く意気込む選手とコーチ、どの立場でもより上を目指す人の志は同じです。
自ら現状を突き破り、壁を突破するのみ。
強烈なチームづくりが必要になります。
そこにとことん汗をかけるみんなだから、実力で切符をもぎ取ったのだと思います。