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長年この仕事をしてきて、結果を出せたときと出せなかったときに違いを感じるのは、練習を上手に運べたか否かです。
空間にあるすべての要素をどうにかコントロールしながら、練習を良い方向へ持っていく作業は「教え方」の技量だと理解しています。
それは言葉の説明が分かりやすいということもあるし、練習の組み方や進め方などもあるでしょう。
コミュニケーション上の技量もあります。
つまり持っている能力の「使い方」です。
教え方の上手な人は望む結果を手に入れるし、成績も上がります。
正しいから伸びると思い、みな勉強しますが、正しさが結果を生むのでは無いのだと知りました。
理論よりも実践力が勝るのです。
うまさのあるコーチはチームを伸ばします。
そこに内容が良いか、正しいかは、あまり影響しません。
その選手を伸ばすことに的確であることが重要なのです。
無論、正しいことを上手に教えられるからこそうまくいくのですが、正しいから結果が出るのではありません。
素晴らしい哲学や先進的な理論を持っているのに、チームを育てられないコーチはいます。
一方で、オーソドックスな指導だけで強くするコーチもいます。
成績を伸ばす条件は戦力が上がることですから、メソッドを上手に使える人が選手の能力を伸ばします。
ネットでは絶えず、論戦とは言えない批判合戦が展開されていますが、そこで語られるのはいつも「なにが正解」なのかです。
その中身が正しいのか、多くの人や場所で認められたものか、データの証拠があるかなどを頼りとし、それをエビデンスという一言で正解を作ろうとします。
しかしスポーツ現場でみなが欲しいのは結果です。
選手もコーチもなにが楽しいって、それはもちろん上手になりたいし、勝ちたいのです。
望む結果はそこなので、正しいことが解決では断じてないということです。
理論と方法論、練習環境、戦力補強だけをコーチの力と思わず、もっとどうしたらあのように強くできるのかと、見えない本質に目を向けてみるのです。
結果を出している知将名将の真の力は、教え方にあると僕は確信しています。