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熊本で2日間のクリニックをおこなってきました。
スポットですがもう7~8年、いやもっとか、コンスタントに通っています。
毎回訪問するたび問題課題がさまざま噴出し話題に事欠かないホットなチームですが、ひとつずつ取り組んで確実に歩を進めています。
その積み重ねに、僕もささやかながら尽くしています。
バスケットボールに関しては、今回はジャンプとサイドステップの練習をしました。
新チームに代わり、チームの足下を固めることが必要であり、基礎の基からじっくりつくっていこうと選手らと話しました。
かなり分解してパーツごとに練習し、2日目はそれを繋げて徐々に競技の専門性へと入っていきました。
上手にプレイするために身体をどう使うのかというところにおいては、ジャンプとサイドステップは共通点があります。
まるで別の動作に見えて、身体の使い方は同じ点があるのです。
そこを押さえると両方同時に解決されます。
この日は、一般的な運動感覚とは真逆のことを教えました。
ぐるっと反転させて、全く新しいものを身につけようと。
運動は要領であり器用さの勝負ですから、かたちの違う運動でも手足の使い方、バランスの取り方などといったものにかなり重なる部分があります。
それぞれが特異的な動作ではない、ということです。
上手くできないプレイがあっても、それは難しい技術ではなく少しの機転で突如みちが拓け、縛りが取れてスッと動けるようになります。
無理につくる動作の型をやめて、手足を開放するほうへ努力を向けると、あらゆる動作がひとつのコツで良くなります。
自分の身体にどう気を向けるかですから、より正確に認知できた人から秘めた能力を発揮できます。
スペックの違いは骨の長さと太さ、筋肉の量や伸縮性といったものです。
つまり身長や体つきですね。
それは遺伝の影響が強くすでに決められた条件だけれども、どう操るかは訓練次第になりますから能力はそこで伸ばすことが可能です。
4本の手足、中央にある胴体、1つの頭という、全員が同じ構造をどう使うかの勝負です。
ここは平等なチャンスなので、如何様にもなり、可能性は大きく広がっています。
僕が「誰もが上手くなれる」と言っているのは、それ故です。
基礎への心掛けが薄まり、下手なものを下手なまま試合に勝とうとするばかりが目立ちます。
昨今は特に、その傾向が強まっています。
鍛えなくしてなにが練習か、伸ばさずしてなにが練習でしょうか。
身のこなしという運動の基礎を探った人が、能力を伸ばします。
それは遺伝でもスペックでもなく、取り組みによって我が身に備えられるものです。
この与えられたチャンスに全力で投資すること、それが「バスケットボールのからだづくり」の根っこです。