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うちには梅原理論、梅原メソッドなるものはありません。
僕は現場でチームの課題問題を解決する実務者です。
僕の教え方はダイレクトに「ここをこうすれば現状を変えられる」とポイントを見つけた上で、好転させる一手を打ちます。
検査をして分析して診断を下し、最後に手術を行うのです。
だから提唱者ではなく実務者です。
選手とコーチが勝手に呼ぶところの「梅トレ」は、10年前と現在で教え方が大きく変わりました。
厳しくはやるので、そこだけ見られると一緒と言われるかもしれませんが、トレーニングコーチはチームにどう尽くせるかをずっと考えてきました。
チーム単位でサポートすることが多いので、普及や定着よりもダイレクトにチームビルドおよび選手の能力育成が僕の役割です。
そこに固定したカリキュラムはあまり必要ではありません。
現実には、選手およびチームが持つ特徴や技量といったものから判断し、体力作りにおいてなにをすれば今より良くなるのかを見つけ実行するのです。
チームによってすべきトレーニングは違うのであり、すべてオリジナルです。
仮に似ていても、実はまったく別のものです。
そのトレーニングを導入した理由やタイミングには狙いがあるのであり、どこでも同じように与えているのではありません。
AとBのチームで行う内容は事なり、同じ僕が教えてもAだけのプログラム、Bだけのプログラムです。
教え方も、方法も、手順も、それぞれにあります。
以前は教科書を1ページずつ捲るように、順序立ててステップアップ方式で教えていました。
進むペースを僕が握り、それからはみ出さずまた確実に一つずつクリアしていくことを、厳しく管理しました。
徹底して反復していって、取り組んだことが正しく身につく、それは良い面でしたので、今も根っこは繋がっています。
ただそれだと進歩が遅くなるのがひとつにあり、どこまで頑張ってもうまく身に付かなくて先に進めない、苦労したわりに試合の成績は程々、そんなことも珍しくありません。
また教科書を中心にすると、現実とズレているケースも増えます。
この選手とチームに必要なのは20ページ目からなのに、有無を言わさずみんな1ページ目から、というのが教科書スタイルです。
現在、スキルコーチや○○トレーニングみたいなものは増えていますが、レッスンのほとんどがコレだと思います。
必ず1ページ目から順繰り。
しっかり教えている人ほど内容が定まっているので手順があるし、大抵が「シュートとは」「ディフェンスとは」「身体操作とは」とコーチの大講演会、大演説会になります。
チームにアジャストするかは考慮されないんですね。
僕も少し前はそうでした。
だから良い面は多々ありつつ、埒があかない場合に突破口はないか、ずっと模索していました。
その過程を経ていま、そのチームと選手にフィットするよう、オリジナルなテキストでトレーニング指導をしています。
表現は好みませんが、メスを入れるという感じですね。
でも正しい理論や方法は的を外さず、その上で教え方をかえる、取り組み方をかえる、さじ加減をかえます。
順番も固定しません。
100ページ目からいく場合もあるでしょう、もしそれが適するならば。
目の前にいる選手が覚えやすいように工夫するのです。
体系が崩れることを恐れず、結果を出すという目的に集中する。
そして地道に頑張ることを、徹底します。
覚えやすいというのは、楽とか簡単という意味ではありません。
気と身の入らない人間には何をどう教えたって成果はありませんから、最優先の課題は見つけてあげますが、それをものにするのは本人の掻いた汗の量であり、必死に反復していくのみです。
万人に同じです。
その面こそがいつの時代もどのような場合でも普遍のものであり、僕自身の指導スタイルは、型張るより成果的な選択が必要だと、いまは理解しています。