和歌山で訪れたチームでは、監督さんの目のつけどころが鋭くて驚きました。
体の使い方などについて、選手の動きの鈍さやぎこちなさに疑問があり、いつも色々と質問をされます。
シュートが入ればよし、戦術が成功して勝てばよしではない、たいへん洞察力に優れた方です。
正直、学校の先生でこういう人は珍しいです。
悪い意味ではなく、普通コーチはプレイの成否に目がいきます。それは当然のことです。
そこを作り上げつつ、我々が指導する運動技能にも言及することは、なかなかできるものではありません。
プレイが決まれば、それが結果と言えるわけですから。
動作をこうすればさらにパフォーマンスが上がる、というあたりの作業は大抵「専門の方にお任せします」となりますね。
それが和歌山の監督さんの場合は、勝ってよし、全国大会に出たからよしはとしません。
動きがスムーズじゃない、ぎこちない、格好良くないという目で自らのチームを見ています。
勝っていても今の現状に満足せず、もっと先を見据えているからこそ出てくる感覚だと、はっきりわかります。
和歌山へ来るといつも議論に花が咲き、私もついつい話が長くなります。
年に2,3回ほどの講習会のみですが、それでも十分すぎるほど、丹念にトレーニングを積んで成果をあげているので、お世辞じゃなく本心から感心しています。
トレーニングとコートの中のパフォーマンス(=プレイスキル)が合致している、1つの成功モデルだろうと思います。