梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

生きた時間と死んだ時間

 ドライブの力をつけようと、4種類の動きを行いました。まずミートドライブ、もうひとつは止まった状態からドライブ。さらにその脚をフォワードとクロス。もちろん右と左があります。ダミーのディフェンスをつけて二人一組。これを5分間練習しようと言いました。

 近くにいた副キャプテンに指示して、全員に伝えてもらいました。練習の中身は以前から取り組んでおり、皆できるものです。副キャプテンは皆を集めてちゃんと伝えました。全員理解し、各自で鍛練します。

 私が心配したこと、いやあえて仕掛けた試練は、時間です。限られた5分という時間を、大切に使う様子があるか。案の定、皆なんとなく反復していて、やっているのは一定の内容のみ、ほどなく時間のブザーが鳴りトコトコと集まってきました。

▼私からの提案 投げかけ

「時間配分は?」

 全部できたかと聞きました。ごまかすためにハイと言いますが、私は様子を全部見ています。時間になったから練習終わり、には絶対できません。

 大事にしてもらいたいのは、時間は有限であるということです。いつまでもどこまでも好きなだけやれる環境はない。大切な時間を、この一回を一瞬を、さらっと安易に流すことがどれだけチャンスを無駄に捨てているか。自分の子供時分の後悔も含めて、彼らには伝えておきたいと思いました。

 細かく考えると、おおよそ1パターンにつき2回ずつしかできません。でも集中するには十分です。たくさんやれれば、それに越したことはない。しかし足りなくても良いのです。

 何より貴重なのは、自分で考えて能動的に時間を使うことです。何も考えず、良い悪いも判断せず、言われた事を只々するだけのロボットになってはだめです。

 自分で考えて行動しなければ、限りある己の時間を簡単に捨ててしまうことになります。当たり前のごとく手ぶらで大人の指示に従うだけの生き方を、やめましょう。

▼自分で考えるとは、時間を自分で使うこと

 一日をどう過ごすか、それはすべてあなた自身が計画して決めて行動するのです。自分の行動を他人に作ってもらってはだめです。間違った「当たり前」を変えていくために、私なりに仕掛けを入れて練習しています。

 人の力で上手くなっているうちは、人に気持ちを盛り上げてもらっているうちは、仮初めの自分です。本当の自力ではありません。最後、コートの中で花は開きません。

 普段の自分がコートに表れます。毎日のちょっとずつの生活が自分を作り、その自分がコートで表現するのです。だから日々、地道に小さな心がけを少しずつ積み上げて、自ら考え自らの意思で行動するということをやってもらいたい。

 コートにおいては、ゴール下にボールが入ったらもう最後、決めてくれ!ねじ込んでこい!それだけなのですから。その選択の瞬間に、自らの意思で行動していない者がどうやって道を切り開けるでしょうか。

▼自立とはいつもの自分から育まれる

 よく自主性とか主体性と言います。自立という言葉も聞かれます。それは練習、部活動でどうなるものではなく、バスケットボールでどうなるものでもなく、普段の生活においてあらゆることのちょっとずつの積み重ねではないでしょうか。

 時間や期間を先々見通して物事を準備する、人の話をよく聞き自分なりに整理して言わんとするところをくみ取る、自分の知りたいことを自分で動いて情報を集める、それらはすべて自らの主体的な行動です。

 自分の意思で動いて得たものは大きい。何よりも力になります。置かれた環境の中で、何を考え何をするのかを常に自分で決することが大切だと思います。

 時間は限られます、チャンスも少ないです、タイミングも貴重です。そんな中で自分の夢を叶えるために、これをしようあれをやってみようと自分から動いていけると、このチームはもっともっと強くなるだろうなと思いました。

 さらなる飛躍に期待します。