梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

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勉強する理由を教えてください

 なぜ勉強するのかと聞かれたらあなたはどう答えますか。

 私の意見を言います。それは唯一つ、自分の真実をもつためです。ある作家は「誠」と言っていたり、昔の武士で言えば「義」にあたるかもしれません。

 自らの考え、意見、信念そういったものをしっかりと備えるために勉強するのです。自分の意見を言っているようで、実はTVや新聞、周囲の雰囲気に乗っかって言っているだけだったりしませんか?それは本当に考えを尽くしたあなたの意見でしょうか。その発言の責任を持てますか?

 とかく現代に生きる私たちは、自分を排し、世の中にある正解がなんなのかを探そうとします。それを見つけ理解することが真実だと、思い違いをしています。

 でも人間それぞれ個人から離れた「世の中」というところに、普遍の真実・真理はないと私は思います。みんながこう言っている、世の中では多くこのように評価している。いやそうじゃなくて。

 キミはどう思っているんだと、選手に問うことがあります。ある一つの現象に触れたとき、誰かの言っていることの中から自分も賛成できるものを探すのじゃなくて、自分自身はどう考えるのか。

 そう問われれば、多くの人が「そんなの詳しく知らないんだから、答えられない」と言うのかもしれない。そうですよね、その物事を具体的に深く知らなければ、そのことについての考えは生まれてこない。

 つまり自分で判断したり信じるものが、心の真ん中に作られないということです。とすれば、あなた自身が消えてしまうということになりませんか。あなたがあなたで在るためには何が必要ですか?まさに他の誰でもないその本人の感性によって、オリジナルに考えたり選んだり決めたり行動したり、それが唯一尊いはずでしょう。

 だから勉強するのです。人から話を聞き、自ら肌に触れ、書物などで調べ、知識のみならず感性をも広げる。そうして初めて「自分はこう考える」というものができるのだと思うのです。

 それは外の事象について見解を持つことだけじゃなくて、自らの生きる道に於いてもっと力になります。うんちくや知ったかぶりで知識人になったつもりでいる人は少なくありません。

 でもそれは、その人の生き方になにも与えていません。どのような道に進んでも、どんな人生であっても、自分の意志を貫いてとことんまでやり通す芯の強い精神性は、自分の考えをもつ生き方からこそ生まれるのだと思います。自分の考えとは自分の生き方になります。

 他人の人生を生きている人、世の中に振り回されている人は数知れず。又とない貴重な自分の一度きりの人生を生きるために、私たちは日々勉強しています。