梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

若いコーチからの電話

 関東も梅雨入り、露草のにおいが夏入り間近を感じさせます。夏至ももうすぐです。熱い夏が待ち遠しい、でもいましばし我慢。

 私の実務である高校バスケットボールは、インターハイ予選が各地で行われている最中です。関東では先週末に関東大会があり、これから6月末まで県大会に入っていきます。

 全国へ数多くのチームを指導して廻っていますが、その皆さんが出場する各都道府県の大会を、くまなく応援しに足を運ぶことがどうしてもできません。実務と重なってしまうことが多く、地元埼玉でもじつは観に行けないことが大半だったりします。

 ある県ではこの土日が大会、しかし一方の県ではまだ先なので指導に行く予定が入っていたりなど、大体被っていたりします。ちょうどうまく空くようなことは少なく、直接試合の結果を知ることができません。

 よく監督さんから結果報告をいただくのですが、それは大体が目標の試合に勝ったときです。優勝はもちろん、目標以上に勝ち上がることができたときなどに報告が来ます。

 いま、ちょうど大会が終わった県がいくつかあり、昨日もいくつか電話をいただきました。普段あまり負けた報告の電話やメールはないんですが、今回は珍しく負けても電話が鳴りました。

 まず僕自身が歳をとってきているからですが、最近は近い年代であったり若いコーチとの付き合いが増えています。若いコーチは謙虚で堅実なところがありますから、当然負けて悔しい気持ちはある中で、もっと精進して頑張ろうという直向きさを、電話の向こうから感じとることができます。

 コーチとして自分がもっと指導力を磨いて頑張らなきゃという真っ直ぐな姿勢が、心を一定に保たせる支えとなっているのだと思います。負けても冷静に結果を分析し、落ち込んだりやる気を無くしたりせず、いや実際はなんとかその気持ちを納めて、時間を隔てずすぐに次へ向けての課題を考える前向きさは、若い力ならではかもしれません。

 古株になると、とかくメンタルが後ろ向きになったり根気が出なくなったりします。僕ももう片足を突っ込んでいます。時間を掛ける体力が無くなり、結果を急いで求めるようになります。

 まだまだ時間が沢山あり、失うものも少なく、未来への期待感と謙虚さに満ちているという点は、「若い年代」こその特権と言えます。

 でも若い時だけって切り捨てていいのかな。古株ベテランならば違っていいんでしょうか? 若いからじゃなく、僕たち中堅や年長者だってこうであるほうが絶対に有意義に違いないんです。

 落ち込みや悔しさは誰だって当然大きいけれど、後ろ向きな話より前向きな話をするように努める人が勝つんじゃないだろうか。そういう仲間を集めて常に議論すれば、より多くの情報や思考が出てきて、自分もチームも皆が伸びていくはずだ。

 そういうことをしないから、強さが積み上がっていかないのだと思うんです。負けたときこそ周りと話そうよ頼ろうよ、ていうことを電話を受けながら学ばせてもらいました。

 次世代のスポーツコーチのスタイルはこのような有り方が主流となっていくんじゃないかなァ。これからの我々指導者のあるべき姿を見せてもらっている気がしました。