梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

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転勤

レーニングコーチとしてチームに関わっていると、チーム内の様々な出来事を私も一緒に経験します。その中には顧問(監督)の転勤という問題もあります。公立の中学高校ではいずれこれがあるわけで、もちろんチームは大きく揺れることになります。

そこでは二つのこと、あまり計画的・専門的活動をしていなかった学校に、指導力や熱意のある監督が来た場合に、ときとしてチームは一気に盛り上がり順位を上げることがあります。

もう一つに、そのような監督がチームから離れていってしまうという状況もあります。時間を掛け、精神を一つにしてやってきたチームの支えがいなくなるとき、残る選手はいったい何を考え、どう行動するのでしょうか。

私はチームをサポートする立場として、この沈み動揺するチームの様子を何度か見てきました。自分なりに出来得るかぎりの穴埋めをしようと努め、選手に声を掛けたりもするわけですが、所詮は他者の横やりであり、一端落ち始めたものはなかなか止めようもありません。

実際に崩れてしまったチームもあるし、新監督の手腕で次の時代を突き進んだチームもありました。しかしいずれにせよ、これはもう当事者である選手たち自身で立ち向かう壁です。周囲が助けてあげられる事ではありません。

監督がこの3月いっぱいで転勤をする学校があります。監督は後を引かないように配慮して、すでに選手へは3月初旬に事情を伝えたそうです。少しでも盛り上げてからバトンを渡そうということでしょう。その事が告げられたあとで、私もトレーニング指導のためチームを訪問しています。

私は、いつもどおり、至って普段どおりに練習します。約半月後の4月1日からは新監督と選手とのチーム作りが始まります。時間は待ってくれません。刻一刻と目指す大会の日は近づきます。

監督との別れを乗り越え、突然の変化に挑み、自分を保ち続けられるかどうか。出来なければ試合はボロボロになるでしょう。だから彼らは勝負しなくてはいけません、落ちていく自分と。心に穴が空いて、理性と本心が繋がらない自分を、己でどうにかしなければいけないのです。

誰かに頼って誰かに任せていた一番根っこの「自分の人生の問題」に向き合うときがやってきました。自分の心を他の何かに揺さ振られている場合ではありません。しっかり考え、責任を持って決断し、自分のバスケット人生を走り切るのです。

すべては「自分の事」だから。周囲の状況がどうなろうと、今こそ自らを解放し自由にそして主体的に人生を歩くことが試されています。

自分の人生は常に自分が決めているのです。