梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

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学校生活に燃えるものがあるか(2)~課外活動の意義~

 今の教育現場でよくないなと思うことがひとつあります。まあ昔からなのかもしれませんが、子供が確実に前へ進めるように全てを揃えて、備えて、そして整えてあげているところです。落ちこぼれないように必ず合格点をもらえるように仕組んであげているのが日本の学校教育です。

 聞こえの悪い言い方で申し訳ないですが、テストの点数だけで成績となり、それも最後には必ず合格になるように何度も再試や補修で努力点を考慮します。あきらかに落第なことでも落第にさせないことが、日本の教育の美徳となっている様な気がします。学校はギリギリまで×を付けたがりません。

 また、テスト以外のことは積極的にはあまりやろうとしない、ということを感じます。余計な事は何もしない方が単純に成績を付けやすいし、変に問題も起こらない。成績の良い学校になればなるほど乱れは少なく、困った悪さもしません。テストだけしてそれで成績を付け、あとは何もせず大人しくさせておけば、学校としては文句を言われることはないわけです。

 こういったテスト勉強以外のことを何もさせないであるとか、まず皆が成功前提の安泰の場にしてしまっていることが、教員も生徒もチャレンジをしない、学校全体が活力や夢のない、主体性を失った教育現場になってしまう理由ではないかと思うのです。

 とくに成績の良い学校には、そのような印象を受けます。自分の頭で考える事をしない。学校が全部用意するのでそうする必要がありません。言われたことをする、出された課題をやればいい、生徒が自分たちで作っていくものは何もないので、大人に引っ張られながら右へ左へと着いていくだけの3年間です。この学校に来て○○をする、というものを持っている生徒はどのくらいいるでしょうか。

 そこそこの進学校ならば、世間ではある程度良しとされるレベルであり、何を頑張らなくとも悪さをせずそれなりに過ごしていけば卒業でき、そこそこの大学進学や就職もできるでしょう。

 もし実際は、だらしなく携帯ばかりをいじって無気力で礼儀もない生徒だったとしても、その学校の生徒であるというだけで、すでに社会での合格点はもらっているようなものです。日本の教育というのはその生徒その教員ではなく、学校のランクを重視する傾向にあります。その学校・会社にいるから良しとなるのです。

 環境が自分たちをちゃんと合格側に入れてくれますから、生徒はエネルギッシュなことは何もしません。高校ではこれにチャレンジする!という目標や望みを持たないほうが、案外過ごしやすいのです。ゆる〜くなんとな〜く3年間をメリハリ無くやっていくことが、学校全体の雰囲気になってしまっているのなら、じつは非常にまずいことだと思います。

 一方で本当の進学校、真の進学校の生徒は、意欲ある将来の展望を持っています。もう入学早々から大学への受験戦争ですからね。学年内のバトルもありますし、皆必死でしょう。将来こんな発明をしたいとか、自分の会社を立ち上げる、自分のサッカークラブを作って優勝させるなど、明確な目標を持ってすでに準備を始めている人も多いと思います。高校生活でこれを頑張る、という自ら決めた課題があるのです。

 ある高校の男子校では、文化祭や体育祭など、学校行事でのクラス同士の戦いがものすごく熱いそうです。それだから、教師も担任をすることが楽しく、毎年、自分が担任をしたいと職員会議で取り合いになるくらいだとか。

 こういう生徒一人一人の高校生活の希望、目標を持つことがどれだけ大事で輝くか、それが無いことがどれほど自分の成長を阻害し苦しみ学校生活をつまらなくさせるか、とくに最近の部活動にて実感しているところです。やはり自らの意思が無い者は厳しい。

 こちらが全て先導しないと事が展開していかないのは、ちょっと苦しいです。ある程度までは伸びていきますが、そこから本当の戦いのレベルに入ったときに成長できるかどうかは、本人の底力ですから。他人が作り上げるものには限界があります。すべてコーチの御膳立てに頼っている選手は、勝負の場では輝けません。

 部活動をはじめ、何か学校での積極的な取り組みで、生徒の活力を漲らせてもらいたいと強く思います。文化祭・体育祭・合唱コンクールなどを使って、クラス対抗、学年対抗、全校対抗で競い合ってほしいです。全校でマラソン大会なんかをやっているところもありますね。球技大会が盛り上がっているケースも聞きます。やはりスポーツは良いです。やっているようでかたちだけのところもあると思います。課外活動って大事ですよね。教室で椅子に座って教科書とノートとペンをいじるだけの学校生活にはしてほしくありません。

 授業だって、積極性が出るような面白いテストの出し方とか、様々できるはずです。私が小学5,6年生のときの担任は、毎朝屋上で縄跳び100回、相撲の番付を漢字で書くテスト、誰かがポーズを取ってそれを1分で描くクロッキー、昼食後は歯磨き...等々やっていました。それを羨ましく思った隣のクラスが真似したくらいです。いま思えば意欲を誘い出すトレーニングになっていたのかなと。

 何かに前向きに積極的に関わることをすれば、そうやって毎日を過ごしていけば、少しずつ主体性を持ちはじめ、自分の将来を具体的に計画するようにもなり、己を深く見つめるように心と脳が変化していくのではないかと思います。

私も含め、学校現場での役割は大きいと考えます。