梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

波長

良かれ悪しかれ現代は自分ペースです。「自分の好きなペース」といったほうが適切でしょうか。何かを準備するのでも片付けるのでも、物事に取りかかるときも、ゆとり全開のテンポの遅さです。それが練習の真っ直中の状況でも、ゆったりゆっくりノロノロと。なんともテンポが合わないというか、のらりくらりで調子をずらされてしまってなかなかノッていけない。

練習ではやはり、徐々にこうアップテンポになっていって勢いをつけていきたいというか、気持ちを高ぶらせて皆がグッとそこに入っていくという感覚を作っていきたいんです。練習していることが体に染み込んでいく集中力の高まった状態を作れると、どんどん上達していくんです。でも最近はよくテンポをずらされ、ズコッとなってしまうことが多い。

こっちが「よっしゃいくぞ〜!」となっているのに、ぽか〜んと。練習の説明なりアドバイスなりをして、「解ったな、よし行こう!」そうしたら「ハイ!」と言ってタターッとコートへ駆けていく、それだけで波長はばっちり重なる。でも「よし行け!」「シーン....」、「ハイやってみよう!」「シーン....」。「ボールを出して」というと、ゆったりトコトコ〜とボール籠に近づいていって、ボールを取ったら籠の周りでウロウロふらふら。この様子では、その都度いちいち行動の指示をしないとおそらく練習が始まりません。パッと取りに行ってパッと広がって精力的に次々動いたらいいのにと思うのですが、どうにもゆとりペースで余裕しゃくしゃくです。

幼い頃から、なんでも自分のペースに親のほうが合わせてくれて生活してきた子供は、今度は自分が他の事にペースや行動を合わせるということができません。そういう経験や積み重ねをしていないのでもう仕方ありません。自分のやりたいペースでやる、自分のやりたい分だけやる、自分のやりたい事だけやる。それは昔よくあった思春期のように、解っていて故意にはみ出して身勝手をしているのではありません。ただそういうふうに生活してきただけの話です。大人の大接待を受けて育ってきた現代の子供たちです。

コーチと選手の波長が合っている感じというのを皆さんもお分かりになると思いますが、それを作るところからそれを教えるところから、今の高校生はしなくちゃいけない。バスケットボールスキル以外の練習項目がどんどん増えています。練習すれどもそれが入っていかないのは、こういう部分にあると思うんです。

技術の修練に専念できるのはいつになるのやら。

暑い夏もまだまだ続きそうです。