梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

至れり尽くせり仲良しこよし

今回気になったことを一つ。

普段からトレーニングをするときは、サポートの必要な場合もあるので二人組にして行わせています。メニューにも因りますが、一人が動いている間はもう一人は補助というようにします。終わると交代してとやるんですが、どうも要領が悪いというかまどろっこしいというか。

バーベルを10回上げ下ろしして終わると、一度肩に載せる。それをペアが持ってあげて肩から下ろしてやり、床に置く。場所を交代して、次やる二人目が椅子に座ると、一人目のやつが床のバーベルを持ち上げてやり、肩に載せてあげる。

これ、見ていると大変にイライラする。

また、椅子に座ってするトレーニングを10回行なったあと、今度はすぐ床に座って違うトレーニングを10回やらなくちゃいけない。そのときに、椅子が置いてある場所からひとつふたつ離れて隣の空きスペースでやればいいのに、いちいち椅子をどかしてそこに座って。それで、どかせた椅子がいまいち近くて邪魔だったりして、また立ち上がって置き直したりしている。それで座るとまた重りをパートナーに渡してもらって、とか........

それを交互に、仲間がやってくれたりしてあげたり、するわけですね。

もう本当に要領も悪いし、そんなこと全部自分でやれ!と。なにを当たり前に何でもかんでも手を貸してもらって手伝ってもらって。幼少期の、親にあれこれ全部してもらうクセがまだ抜けていないのだろうかと、思ったのです。いつまでおんぶに抱っこされているのか。自分の事は自分で把握して自分で準備して動いて片付けてと、全部一人でテキパキやるように、と高校生にもなった生徒に言わなきゃいけない。

もうひとつ、背筋トレーニングをするための台をガラガラと出してきて、それを広げて設置するのですが、一つの台に9人も10人も寄ってたかって、全員で同じ作業をしようとする。例えばストッパーを下ろすとか、ピンを引っ張ってロックを外すとか、台を広げるとか、それら一つの作業に対していちいち全員が関わろうとする。一人がロックを外すのを、他の7,8人はただジッと見ている。その次の事も、一人がやって他は見ている。何をしているの?不思議になります。

だから10人いても1人で作業しているのとスピードは同じ。作業効率変わらない。だったら10人いらないでしょう。一つの作業につき、誰か一人がやれば済むことでしょう。誰かがAの作業をするならもう一人はBの作業を、Cの作業はまた誰かがやってと、必要な数だけ役割分担したらいいし、必要な人数だけ居ればいい。そうしたらパッと終わる。それを大の男が寄ってたかって仲良しこよしに何をしているか。10コの脳ミソあるんだから10コの仕事を同時にしなさいと、しょうもない指摘をしたのでした。

女子なんかでも、持ってきてと言うと10kgのシャフトを3人で仲良く持って運んできたりします。もちろん一人で運べるわけですよね。それで今度はプレートをまた3人で取りに行く。3人で持つからかえって運びづらくなるし、ああだのこうだの言い合ってグズグズ行動が遅くなる。まるで幼稚園児の「誰々ちゃんだけやるのはズルいから、みんなで一緒に手を添えて仲良く運びましょう」のような、そんなことを連想してしまいます。椅子を取りに行くというと全員が動き、重りを持ってくると言うと6個くらいなのに10人で取りに行く。軽い重りを一人ずつ手に持って。それで大勢いるものだからダラダラと動いてしまうのです。準備とか片付けなどの行動はものすごく遅いし進まない。

こういうことは非常に多いです。トレーニング中では、手に重りを載せるのも友達にやってもらって、それをどかすのもやってもらって。至れり尽くせり。とにかく何でもまず「やってもらう」から行動が始まるので、率先した働き、先読み、手助けに気を回す、自主的な行動、そういうものがほとんどありません。色々なチームに行きますが、多くのチームでそのような様子は伺えます。

これらはコートの上で間違いなく影響が出ます。プレイに現れます。些細な事ではありません。この個人の自立というものを、子供に関わる現場では取り組む必要があるでしょう。今は高校生ですら、なのです。