梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

寝ても覚めてもバスケットボール

先日久しぶりのA校訪問。何かと手間の掛かるA校。新チームに代が替わり、これからのチーム作りについて最初に方向性をはっきりしておく必要がある。私たちはどこを向いて進もうとするのか、バスケットボールに何を求めるのか。それにより「やる」か「やめる」か、ふたつにひとつだ。気休めのお遊びなら、大人が付き合う必要はない。高く求めるもののない活動なら、力を注ぐ価値はない。今回は新チームでのトレーニング最初だから、そのへんの話になった。そうしておかないと、なし崩しにやり過ごしていったらこのチームは間違いなく終わってしまうだろう。コーチ一同はそういう見解だ。

とにかくスポーツ選手としておかしなことがとても多い。シューズが赤だの黒だのオレンジだの私服感覚。紐もおかしいし髪型もおかしい。練習後には廊下トイレ一帯に香水だか制汗スプレーだかのニオイが充満する。バスケットボールはファッションなのか。

練習に遅刻してきて「LINEで連絡を回していたみたいだけど私見ていなかったから....」などと、理解し難い言い訳を平気で口にする。試合中に髪の毛をいじる、パスを失敗したらニヤニヤと笑っている。試合に負けた翌日、会場に姿を見せたのはわずか数人。自由参加・自由行動と言われたから、だからどこか遊びに行った?

練習もトレーニングも、何ヶ月経ったっていっこうに進歩せず。問題を解決しようと努力などせず、非力だろうとまったく平然。一年前に教わった事を、いまさら「どうやるの?」なんて言っている。コート内をだらだら歩き、トレーニング場で座り込む。

とにかく理解出来ないことが多い。君たちから発する言動はおおよそ「アスリート」からはかけ離れている、そういう話をした。おそらく今まですべてそれで許されてきたんだろう。小中学校と、または家庭で、そういう環境で生活してきたのだと思う。規律や教養のない学校生活やチーム活動が増えているように感じる。それは子供の問題というより、大人の問題だろう。

寝ても覚めてもバスケットボール!そんなふうであったら、この次元で苦労などしていないはずだ。このチームはすぐに強くなるだろう。もっと爽やかでカッコいいスポーツ選手、スポーツチームであるに違いない。心を掴み自分をまっしぐらにさせるものが「夢」とか「目標」なんじゃないのかな。あの子たちはそういうものをバスケットボールに見出したのだと、私は思いたい。高みを求めているんだと思ってやりたい。それにはあと100倍のエネルギーが必要だ。