梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

WinterCupで見つけたこと

今年はWinterCupが広島で開催されていました。この大会で数多の試合を見ながら、身体能力的に感じたあること。全国と一般的なレベルの選手の差、全国大会の中でも強いチームと劣っているチームの違い。私の目にはそれが「動と静を切り替える技能力」のように映りました。

ムーブとストップの変化というか、とくに速いスピードをも支えられるストップの脚が、より身体技能の高い選手にはしっかりとできているんです。バスケットボールは動作変化の激しいスポーツです。前に進んだと思ったらすぐ右へ切り返したり、止まると同時に上へジャンプしたり、右脚を前へ踏み込んだ次の瞬間左脚は横へ踏んだり...など、方向転換や動作の変化がひっきりなしに起こります。慌ただしいほどに不規則・複雑な動きを繰り返すのが、バスケットボールという競技の特性なのです。野球やバレーボールやサッカーには無い感性です。

常に動作を複雑に変化させるという性質は、柔道やレスリング、相撲といった格闘技に近いかもしれません。バスケットボールでは狭いコート内で大人数がごちゃごちゃと動き回ります。一瞬一瞬で目まぐるしく状況が変わり、プレイヤーはそれに対応していかなくてはいけません。

そのときに重要な能力が「一瞬のストップの脚」と「ボディバランスを維持できる力」です。動きが変化する繋ぎ目のところを、安定したバランスで瞬時にビタッ!と静止できる力を備えている選手は、やはり上のレベルの選手たちです。しかも瞬時に次への動作へ移れるような体勢を事前に作りながらストップに入ることができます。

私は著書『バスケ筋』でこの技術のことを「ストップ・モーション」というように表現しています。脚・腕・体幹・頭 (顔) それぞれの部位において、次の瞬間に変化するであろう動作に、ほぼ遅れや崩れを起こさずに入っていける、そういった技能です。とくに脚のステップ・ワークについては、飛び出したが最後止まれず振り切られたり、細かい方向転換に脚の動きがついていかなかったりする場面を、今大会もたくさん見受けました。前へ出て突っ込むだけとか、一方向だけとか、次の変化に対応できないいわゆる「流れている」感じの動きをしている選手を見て、やはり上位チームの選手たちと明らかに技能が違うなと実感しました。

おそらくこれは大きな違いです。決定的な差にすらなり得るでしょう。この力がないと全ての動作が相手より遅れていきます。断片的なジャンプ力が高いとか走るスピードが速いとか持久力があるとか、身体能力としてよく言われるそれらの部分ではない、本物の身体能力とはこういうところを言うんじゃないかと、この大会を見て感じた私の率直な感想です。

長文になり失礼しました。