梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

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目が眩む

目先の勝利に囚われる者は、勝ち星を逃がす。

よく関取や野球選手が「優勝など考えずひとつひとつ」と謙虚に言っている。それは小さなことに聞こえる。でもひとつひとつと言っているが、その人の真の目標は遥か先にある。ひとシーズンの優勝どころか、自分の競技人生の夢をはっきり描いている。だからこそ目の前の大勝負に勝つことができる。

「ひとつひとつ」とは、目標が小さいのではなく、この掲げた大きな夢においては目先など気にせず、慌てず着実に、という意味が込められているように感じる。その人にとって、人生の途上で得た「賞」の10や20など、一つの出来事・結果に過ぎないのだ。

たとえばプロ野球選手が、「プロ人生で500本のホームランを打つ」と夢を掲げたとする。そうしたらある一年に本塁打王を獲ったとしても、その選手にとってそれは単なる積み重ねの一つ、ということになるだろう。

たとえば大相撲で力士が、「自分は生涯で絶対に10回幕内優勝するんだ」と夢を掲げたなら、ある一場所において優勝できたとしても、それは彼の目標の一歩(一勝)に過ぎない。

つまりそんなたったひとときの優勝・タイトルなど、自分の真の目標の経過でしかないと考えられたなら、依然として歩を進める力が漲る。人生の大目標があれば、たとえ100回優勝したとしても、さらなる努力を怠らないものである。小さな賞に目が眩んでいる人は、そのたった1回も掴めないかもしれない。

あと一個勝ったら優勝だ、あと二つで格上げだ、あと5個で○○記録だ、そう目先の手柄に気を取られてしまうと、その目先さえ逃してしまうことになる。一歩一歩、しかし夢は大きく遠くに置いて、小さな成功なんかに囚われることなく歩んでいこう。