梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

新入生の臨み方でチームの基盤が強いか弱いかわかります

 古臭い人間だと言われようが、時代錯誤と言われようが、新入生の心得というものがあると僕は思っています。

 それは有る無しでとても大きくチームへ影響し、次年度以降の本人にもたらされる結果もガラリと変わることを、失敗も含めて山ほど経験してきました。

 新しく入部した選手が、はじめて触れる環境でどのようなことを感じるか。

 これはそのチームの足下が盤石なのか、グラグラとして弱いのかを知る指標となります。

 勝つには勝つなりの積み上げてきた苦労が必ずあり、精神的かつ体力的強靱さの上に勝利がもたらされています。

 そこにはタフさ、厳しさ、貪欲さが充満していて、触れた者は強さのたしかな証左を見つけることができるでしょう。

 新入生はそこに面食らい、ときに圧倒され、戸惑い焦りながら、必死に慣れようと頑張ります。

 見失わないよう、置き去りにされないよう懸命についていくしかありません。

 そんな空気感が、選手そしてチームをより早く育てます。

 

 でもこれが形づくられていないチームでは、新入部員の浮つきに足を引っ張られてしまいます。

 厳しさもエネルギッシュな勢いも何も感じないような薄い雰囲気では、新入生は育ちません。

 入りたてのお気楽な態度に足をとられて、せっかく育んできたチームの「気」も萎えていきます。

 ここまでやってきた苦労をなにも知らない人間にそれを壊されないために、先輩は新入生の心得をきちんと教える必要があります。

 

 新入生に必要なたしなみはなんでしょうか。

 新しく部活へ入って、まずどんなことを身につけていくことが求められるのか。

 それを先輩が理解していなくては教えることはできません。

 新入生には学ぼうとする姿勢があるでしょうか、食らいついていこうとする粘りはあるでしょうか。

 はじめて見聞きすることだらけなのですから、まずは必死に覚えなくてはいけません。

 しかし現実は、先輩から親切に言葉を掛けてくれて、手取り足取り先導してくれて、至れり尽くせりされているのを目の当たりにして、どうして強いチームを想像できるでしょう。

 新入りが余裕かまして全部受け身で動かないでいるのは、ひとえに先輩がそうさせているのです。

 自分からアンテナ張って練習を習得しようと努める姿勢、新入生にはまずそこから促す必要があります。

 これはすごく重要な要素で、そこに気づくことができずにいつも波が起きて良かったり悪かったり、足下が固まらないチームが少なくありません。

 

 先輩が新入りの浮つきに付き合ってどうしますか。自由気ままにさせて振り回されるんですか。

 新入生のほうが必死に慣れようとついていくのが、自然なバランスでしょう。

 早くチームの一員として溶け込めるよう、先輩がビシッとしているところを見せて「これが君の入部したチームだ」と知らしめ、新入生もすぐにそうなれるよう手伝ってあげるのが、後輩への良い関わり方です。

 毎年いつも手堅く強さのあるチームには何かこう、落ち着きと一貫性を感じますよね。

 その揺るがない安定感は、まさしくここからつくられています。

 お手本にしましょう。