梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

上手くなろうとしている人と、上手くしてもらおうとしている人のアンテナはまるで違います

 スポーツの勝敗は能力で決まりません。その人の性格で決まります。

 いまから自分がどれだけ伸びるか、成績をつかみ取れるかは、遺伝子や才能みたいなところよりも、どのような性格的思考で日々の行動を取っているか、それに尽きます。

 自ら学んでいこうという姿勢があれば、絶対に伸びますよね。どんな人でも。

 教わるから伸びるとか、このチームに入ったから良くなるということはありません。

 自分で勉強しようとするからなにごとも上達していくのであって、試合に強いチームや強い選手は皆そうしているのです。

 だから、はじめは人よりちょっとプレイが上手で周囲で一番実力があったとしても、そこからなにもしない選手は直に抜かれていきます。

 ずっとトップに居続ける選手は、していなさそうに見えても実際は日々新しい情報や感覚をしっかりつかんでいるんです。

 人の話を聴いているし周りの様子をよく見ているし、そこから自分に有益な情報・知識を選び出して取り込むってことを絶えずしています。

 

 伸びる人は誰の力にも頼っていません。自分で学ぼうとします。

 つねに目を見開き、耳をそばだてていますよ。だからより一層上達するんですね。

 実力があるのは、才能とか遺伝子のおかげではありません。

 ことわざで「人の振り見て我が振り直せ」という言葉を知っていますよね。

 どんな意味なのか、どのように捉えているのかを選手に尋ねてみました。

 たとえば練習中に一人の選手がコーチからアドバイスを受けていたとき、伸びる選手は自分のことのようにそれを聴いています。

 自分から耳を立てて内容を知ろうとしますよ。それが役に立つかもしれませんからね。

 成長しようとしている人は、いつも自分から学ぶべく動いています。

 

 他人がなにかを教えられていたときに、「いまは俺が言われてるんじゃねえ」となっている人に未来はありません。

 貴重な情報がいま出ているかもしれないのに、自分が言われていないから聴いていないというのでは、脳が完全にオフになっているってことです。

 勉強モードになっていない脳で、どんな練習をしてもレッスンを受けても一切成長はありません。

 そしてこれは習慣になりますから、それを日々繰り返してしまうことでいつしかそういう思考の脳、つまりそんな性格の人間になっていくのです。

 周囲を見てその有り様から自分の取る行動を正せよと言っているこのことわざは、まさに自分から学ぶ人のことを示しているのではないでしょうか。

 

 勉強というのは自分でするものです。学ぶとは自分からつかみに行くことです。

 育ててもらうんじゃなく、育つ。

 自分の力で育っていくのが成長する人の裏付けですから、自分から動いていない人はどれだけ辛くてハードな練習に耐えたとしても結果は出ません。

 そんな選手、子どもらが全国にたくさんいますから、理論や練習法も重要ですけれど、実際には生活の仕方、生き方みたいなところを訓練していくことがスポーツ指導の多くを占めます。

 現場にいる人はよく解っていますが、本当にそこが成長の根幹となっているし手強い部分なんです。

 自分から成長することを放り投げて、ただコーチに動かされているだけの選手なんて良くなるはずもありません。

 

 脳がオフになるのが習慣ならば、つねにオンになっているのも習慣です。

 すべては日々の訓練ですから、毎日の心掛けで「あたりまえ」を身につけていくことです。

 膨大な時間を要しますが、ささやかに働きかけていきたいと思います。