梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

スケールを変えよう

※この内容は3月6日(日)のものです。少しずつ加筆・修正をして、投稿は数日後の10(水)になりました。

 

 今日は選手のみんなに「スケール」の話をしました(2021年3月7日)。

 個人の持っている「バスケットボールはこういうもの」という感覚は、その人の能力を左右します。

 これは独自の感性であって、ひとつのチームでも一人一人異なります。

 同じ練習をしてひとつの試合をみんなでしていても、選手によってプレイのスケールは大きかったり小さかったりと様々です。

 それをチーム単位でガラッと、まったく別の新しいスケール感につくりかえようというものです。

 

 どうしてそうする必要があるかというと、いまのスケールへの縛りがさらなる成長への妨げとなるからです。

 可能性は広がっています、まだまだみんな上達します。

 それはもう絶対なのですが、選手たちの脳に組み込まれたプレイ感覚では、今のままだとスペックが上がってもそれを発揮するための青写真がありません。。

 いま持っているイメージだと古い青写真です。

 その固定した「バスケットボールはこうやってプレイする」「俺のできるプレイはこんな感じ」のイメージが、どこまでも本人のレベルを一定にとどめてしまうことになるんです。

 平たく言えば「思い込み」みたいなものです。

 本当はもっとハイレベルな動きができるのに、思い込みが能力を抑え込んで上限を決めてしまうということです。

 

 それは能力が低いからイメージを持てないのでは?と考える人が多いと思います。

 正しいことです。無い袖は振れません。

 でも不思議なことに、その反対もたしかにあるんです。

 体力づくりをしてスピードやクイックネス、コンタクトの強さなど多くの部分で成長が見られます。

 體の使い方も訓練を繰り返して、バスケットボールのファンダメンタルもずいぶん良くなっています。

 でもそれが実践では躍動しません。

 どうも程度が相変わらずといった感じで、こじんまりとしてしまうんです。

 このもどかしさは一体なんなのか。しばらく、いやじつはずっと以前から収まりの悪さを感じていました。

 それで、きっかけは覚えていませんが、ふっと理解したんですね「脳が固定している」って。

 

 オールコートで一対一をして、ドリブルなし、ラグビー流に脇に抱えて走りっこをしました。

 鍛えてきたオフェンス、ディフェンスそれぞれの足さばきや筋力をフルに発揮して勝負しました。

 そうしたら走り方もスピードもフェイントの掛け方も、どれも一定でよく見るバスケットボールでした。

 だから言いました、「スケールを変えよう」って。

 まず使う空間をもっと広げられないかって話をして、DFプレッシャーの突き放し方、ボールミートの幅なんかをとにかく空間イメージとして大きく捉えることにトライしました。

 それからボールを持って一対一を仕掛けるときの前後左右に踏むステップの感覚を、もっと大胆にすること。

 これも把握する空間を広くイメージして、開放的に動き回ろうと。

 すごく感覚的、抽象的な説明にはなりましたが、選手にはそれが良かったようで、けっこうあっさり表現できるようになりました。

 OFがそうやってハイパフォーマンスに動くので、DFも自然と止める能力が上がっていきます。

 はじめはOFの突然の変わりように足がもつれまくっていましたが(アンクルブレイク)、しだいに慣れてこれまでよりスライド・フットもクロス・フットもそれらの方向転換も、はるかに身軽な動きに変化しました。

 

 こんなにできるんだって驚いたのは、たぶんコーチの僕だけじゃないはずです。

 溜まっていたエネルギーが解き放たれて、みんな生き生きと走り回っていました。

 これでようやく自分のいまの能力を実感することができたと思いますし、さらにどんな体力を伸ばす必要があるかを目の前の事実として知ることができます。

  できるだけ良いものを見ることがいかに有意義かを、ここでも学びました。