梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

特別指定選手制度についてアンフェアな向きが出てきています。ひとこと言っておきます。

 ごく最近の事として、B.LEAGUEの試合に特別指定選手として加入をし、出場した大学生が大けがをしたニュースが、良からぬ方向で盛り上がる気配があります。

 まだ正式契約をしていない段階で、未来明るい優秀な人材が潰れてしまうことに、この制度への批判、それを設置したB.LEAGUEへの批判がSNSで見られます。

 これは徐々に風となり、大きくなっていく可能性があります。

 ケガは残念なことです。

 スポーツ選手は体が命ですから、治るものだとしても一旦は命が消えることになります。

 その痕がのちにも影響し、未来に引きずらないとも限りません。

 ケガはしないのが原則です。選手ならば全員がそう望んでいます。

 所属したチーム側が手厚くサポートしてくれるようなので、日本の最先端のリハビリと強化をして、少し時間は掛かっても無事に復帰してくれると思います。

 ファンのみんなは、どうぞ漲るエナジーでそれを応援してあげてください。

 

 ここで一点だけ、客観的な事実を申し上げます。

 結果を受けて制度や方法を見直して、より良いものに創り上げていくことは重要です。

 つねに検証と改善をするからこそ、ものごとは進歩していきます。

 ただ結果によって、まるで悪事をおこなったかのような非難をするのは断固違います。

 当事者じゃない人間は、さもなにかを見通しているかのようにものを言います。

 オリンピックについての話題でも、そういうものが多くあります。

 この制度を設けたこと自体を、最近に起こった出来事をもって全否定する、これは超のつく先走りです。

 もしこれが、ケガという悪い面ではなく、選手の経験値がより伸びましたみたいな良い出来事であったら、きっとその方向でまた同じように評論をするのでしょう。

 つまりそれは結果論です。

 起きてからなら、なんでも言えます。

 果たして良い面が出ても、この制度は問題がある、と言う意見はあるでしょうか。

 今回の大学生のケガが起こる前から、制度がつくられた当初から否定意見を言っていたのでしょうか。

 一時に左右せず物事の根っこをえぐる、それが本当に前進ある意見です。

 

 たまたま悪い結果があったことを受けて、B.LEAGUEが選手を食い物にしているような批判まであります。

 本人の承諾無く、無理強いして試合をさせたのでしょうか。

 出たくないと言ったのに本人の意思を無視して利用するはずがありませんし、まずそんなことはできません。

 ケガというのはあくまで本人の問題です。

 強制的に体を痛めるようなことをしていないなら、それは客観的に言ってチームにもリーグにも責任はありません。

 あくまでサポート、支援と協力の範囲で、起こった事象について対処することはあって良いと思います。

 そういう補償的な規約も、具体的に整備しておく必要があります。

 特別指定選手制度というものについて、日々検討改善を繰り返して万全なものにしていく努力はもちろんされていくでしょうし、当局にはその部分にこそ責任があります。

 間違ってもケガに対して責任はありません。

 

 これは不肖ながら言い続けている「教えるブーム」「育てるブーム」の悪い面が、深い部分で根を張っていることを物語っています。

 なんでも育てるとか伸ばすと言って、本人を横に置いて指導者や運営者がすべての成長をつくるものだとするエゴ体質が、日本スポーツの本当の問題点であるとずっと申し上げています。

 結果を大人がつくってあげることを育成だと思っていることが、最大の誤りです。

 教育も子育ても「問題だ」と騒ぎ立てる人たちは、いつもこれを言います。

 メディアも必ず「大人が子どもの未来をこうつくりあげる」をベースにして、つねに決まった方向からばかり報道を行います。

 この堅い頭を変えなくてはいけません。

 なんでもかんでも育てる側、管理する側がすべて悪いという唯ひとつの視点に縛ることをやめましょう。

 選手本人には個人の意思があります。自分で行動を決める権利もあります。

 社会はそれを正しく認めています。

 B.LEAGUEが尽くすこと、選手が尽くすこと、それぞれがフェアに存在しますから、課題はきちんと分けることが公正な関係です。

 大人が子の成長を操作することをやめて、みんなで育つを応援しましょう。