梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

どこまでもフェアであるために、ちびを心から応援します

 背の高い選手は、低い選手と比較するとあきらかに大切にされています。

 スポーツにおいて身長は優位となるからです。

 ことさらバスケットボールにおいてはダイレクトにパフォーマンス(プレイの結果)へと繋がるので、それはつまり試合の勝敗にも直結することを意味します。

 だったら当然コーチは周囲よりも特別な価値を付けて、特別な扱いでその選手に対応するでしょう。

 これはコーチが自覚していなくとも、無意識的にそうやって扱っています。

 なぜかデカい奴らは待遇が良いのです。

 

 僕はちびを応援します。

 僕自身がそうだからではありません。

 デカを鍛えるため、日本の未来のためです。

 世界と比べれば、日本人の体型は大きなほうではないかもしれません。

 でもそのなかで、可能性のある人間はいます。

 欧米やアフリカ諸国よりはその平均では低くても、男性で180cm以上の人は決して少なくありません。

 200cmだっています。

 女性も170cm以上の人はかなり大きなほうですが、現代にあっては稀ということでもありませんね。

 競技によらず身長の高い選手はそれだけで可能性がグンと高くなり、また実際に良い成績を出しやすいというのは客観的な事実です。

 だからこそ、贔屓するわけにはいきません。

 バスケットボールでは、どうしてかデカいだけでベンチに入れます。

 ちょっとどこそこが痛いと言えば休みをもらえ、人より頑張らなくても出来が悪くても見て見ぬ振りをしてもらえます。

 

 ちび軍団は悲惨です。

 掃いて捨てるほどいますから、どれだけ頑張ってもベンチに入れてもらえません。

 怪我だ休みだなんて言おうもんなら、はいさようならと見捨てられてしまいます。

 どうもちびには厳しい言葉が浴びせられ、デカには寛容なのが日本のコーチングです。 

 「デカい選手は時間が掛かるから」という決まり文句がありますが、ちびたちは時間が掛かると「使えない」と切り捨てられます。

 あきらかに猶予期間が違うんです。

 これはフェアじゃありません。

 ゲームでいつもしゃかりきに走りまくって働いているのは、外まわりのちび軍団です。

 ディフェンス、ルーズボール、速攻、地味で大変な仕事を必死に頑張ります。

 でも、評価にはあまり繋がりません。

 それが当たり前だと思われています。

 それを尻目にデカは、たった一本二本のシュートやリバウンドで大活躍かのように称えられます。

 ちびたちのような地味な陰の尽力などデカは全然していませんが、もはや立場すら違うかのごとく、ちょっとの仕事で今日のヒーローとなるのです。

 これがアンフェアじゃなくなんと言おうか。

 

 ちびは日の目を見ず報われない損な役回りを、文句も言わず黙々と努め、きっと明日は来ると希望を捨てずに頑張っています。

 だから僕は、ちびを断固応援します。

 デカを頑張らせるために、コーチが贔屓しないことを貫くために。

 

 きっとそれがちびもデカも、選手みんなとコーチすべてが輝ける道だと信じています。