梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

体格が大きいことは何にも代え難い宝物です。それをチャンスとするか甘んじるか、頼れば技量は磨かれません。

 それは背が高い分で勝っているだけだよ、てことがよくあります。

 技術能力は自ら訓練し習得したものですが、体格は授かったものです。多くが遺伝的要素であることがわかっています。

 恵まれた体格は、それだけですでに価値の高い財産です。

 大事なことは、磨き上げて後天的に身につけた技量が肝心なのであり、自分を高めるためにはそれをよく理解する必要があります。

 運良く恵まれた財産だけを頼りにしていると、本当のチャンスを潰してしまいかねません。

 

 球技では、パフォーマンスレベルが低くても、プレイが成功して得点を取れることがあります。

 それは体格が他よりも優位な場合です。

 持っている条件が良ければ、それだけでチャレンジは成功しやすくなります。

 大人とちびっ子が運動の勝負をしても、体格差が圧倒的に違うために大人がどれだけ手を抜いたところで簡単に勝ててしまうことを考えれば、理解できる話だと思います。

 歳が同じでも、身体的発育の差で早熟な人は当然強いし、遺伝により身長が高い人などはそれだけで他よりも断然に有利です。

 それはたまたま手持ちのカードが良いだけで、自分の技量ではありません。

 つまり本当は技量が低くても、他よりも好条件だから勝てる、プレイが成功するということが起こるわけです。

 

 それはあぐらをかいてしまうきっかけになり得ます。

 さらにコーチも、体格が大きいとそれだけでゲームに有利であり活躍するので、その選手には成長を促す手ほどきをあまりしません。

 いや実際は、大きい子にはほとんどコーチング、ティーチングをしません。

 だから高校へ入学してきたとき、身体の大きな選手は大概にして動きが鈍いです。

 一緒に入学してきた同級生の中でも、大きく運動能力が劣ります。

 なぜか必ずと言って良いほど、大きな子は身体が利かないのです。

 

▼日本のビッグマンは育たないと言われています。

 ビッグマンと言っても、日本が世界で戦うためのJBAが求めているようなビッグマンの話ではありません。

 トップ数%ではなく、日本における一般的な「背の高い選手」について話しています。

 具体的に言うと、競技で差はありますが男子で180cm、女子で170cmあればいわゆる「大きい選手」になると思います。

 これらは決してスポーツ強化チームでなくとも、そのくらいの選手は時折いるはずです。

 私がトレーニングを担当しているサポートチームでも、学年に一人はそのような体格の選手がいます。

 その子たちが揃って皆、全国変わらずどのチームでも体力、技術力ともに劣っています。

 チームの中でも目立って低いです。

 筋力やスピードも、当然ありません。

 

▼その理由をはっきり言います。

 もはや言うまでもなく皆さんお分かりだと思いますが、(1)本人が財産にあぐらをかいて努力を怠ったことがひとつ、さらに(2)コーチがしっかり鍛練させなかったのがひとつです。

 せめてチーム内では見劣りしないレベルであったなら、それに加えて恵まれた体格を天から授かっているのですから、その選手は確実に大きく伸びるでしょう。

 なのにあまりにも能力が低いために、それを高校以上のカテゴリーで一気に飛躍させるのは至難の業です。

 平均的な背丈の子らのほうが、はるかに伸びが早い。

 ベースがありますので、習得する力が備わっているんですね。

 ほぼ確実に大きな子は皆より運動力が劣り、その成長も遅いです。これは財産を完全にダメにしちゃっています。

 

▼周囲より身体が大きなキミ、自分の身体レベルをよく理解して、どんどん上へ登ろう。

 同世代で比べて自分の身体が大きな人は、ただそれだけでプレイにおいて勝てる可能性が高いということを知ってください。

 コーチもそれをちゃんと理解してください。

 本当に技術力が高いのか、ただ身体的条件が有利なのか。

 日本の一般的なビッグマンは、可能性が人一倍高いのに能力が圧倒的に低い場合がほとんどです。

 ごく一部の頑張ってきた人だけは、恵まれた体格と併せてトップ層へ入っていきます。

 でもキミだって、親から授かった恵まれた体格があるのだから、上位に駆け上がる可能性はとてつもなく大きい。

 だから間違っても現状に慢心せず、鼻の先を決して伸ばさず、自分の力量に見合ったチャレンジをしていきましょう。

 人よりできていると思い誤っては、将来をダメにしてしまいます。

 

 今よりふたつくらい上を見て努力すると良いと思いますよ。