梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

いま禁止が必要なのではなく適切な活動こそ重要です

 コロナの第一波から第二波にかけての2020年7月頃、東京都はまだ感染者数が減少に転じないために、都立私立とも多くの学校において分散登校による授業、さらに部活動の禁止が続いていました。

 ある高校バスケットボール部の先生に話を聞くと、ようやく体育館は使用できるようになったものの、練習は1時間程度、選手間のボール受け渡しは禁止という措置でした。

 バスケットボールでボールを渡してはいけない、つまり一人ドリブル、一人シュートだけが可能な部活動です。

 他校では、さらにマスク着用を義務づけられているところもあるとか。

 苦しくてほとんど走れませんね。 

 その後8月に入っても、身体接触の禁止、パートナーストレッチも体が触れるので禁止というルールを徹底していました。

 でも、それを徹底するとバスケットボールができません。

 競技特性を見事に奪われた中で、我慢して細々と「自主参加」による練習を続けていました。

 そうして、外部コーチにあたる僕がトレーニング指導にようやく行けたのが、9月の終わり頃でした。

 

 そんな環境と比較すれば、いまはもう対策を取れば部員みんなで練習ができ、ボールの受け渡しもでき、身体接触も許可され、外部コーチも入ることが許され、練習試合も公式戦も出場できるようになったのです。

 つまり正常なバスケットボールができるように戻ったのです。

 なんの不自由もありません。

 コロナ以前と比べると、まだ長時間の練習や二部練、泊まりの合宿等の許可が出ていませんが、それももう少し辛抱すれば世の情勢を見て直にできるようになります。

 近いうちにたとえ条件や限定的であっても、可能となるのです。

 なんの苦もなく待てます。

 でもそれを待っていられない人がいるのですね。

 どうしても遠征したい、複数チームで集まってゲームをしたい、泊まりで行きたい、そんなことくらいを手放せない人がいるようです。

 その自制心の無さが災いして、スポーツ現場をきっかけとした学校での大規模クラスターがいくつも発生しました。

 ついこの数ヶ月での出来事です。

 第三波の感染爆発と同時期です。

 

 油断すると悪いほうへ傾くのが人間の性です。

 魔が差すという言葉がありますね。

 悪い心が一瞬僕らを呑み込むのではなくて、つねに抑え込んでおかないと、ふとした緩みにそれが心の奥から顔を出すんです。

 つまり人間は根っこに、行いの悪い性格を持っているということです。

 だから教育が必要です。

 ルールを決めて、それに準ずる意思を身につけるのが教育の柱のひとつです。

 子どもでも大人でも違いはありません。

 子どもであっても判断力の高い人はいるし、大人でもデタラメに行動する人がいます。

 話を戻すと、いま思えば東京都は、学校の個別判断とは言えいくつも制限を掛けられた中で、誠実に部活動をおこなってきました。

 多くの学校では厳しいルールであったようです。

 それでも一歩ずつ少しずつ、かつての活動に戻っていきました。

 もうそれだけで、充分幸せをみんな感じていたのではないかな。

 

 あまり調子に乗って「もっともっと」と欲張るのはよしましょう。

 遠出ができないくらい、泊まりができないくらい、手放せますよね?

 それだってあと少し経てば、回復されるんだから。 

 もし、普段より少しアクションを広げるんなら、その分増えるリスクを抑える手立ては絶対条件です。

 危険にあえて向かうことは承知のはずですから、その防衛策をしっかり準備した上で活動してください。

 準備できないのならやってはいけませんよね。 

 

 自分のしたいよりも、責任を果たすことが優先です。

 それを自制できないような人間なら、教育を受け直して下さい。

 ちゃんとやることやっていれば、問題は起こらないのです。

 行動を禁止するのではなく、あなたご自身の緩んだ紐をきつく締め直してください。