梅原淳の心*體みなぎるエッセイ/Playground Heroes

運動の専門家が子どもたちの成長をスポーツ*子育て*教育など、あらゆる視点から応援します

遊具に群がる親が諸々の問題を生んでいる根っこです

 ちょっと気になるのが、大人が子どもの遊びに入り込み過ぎじゃないでしょうか?

 子は子で勝手に遊びます。

 家にいれば退屈が多いので「遊んで〜」とお父さんにせがむこともあるでしょうけど、外に行けばその世界に夢中になります。

 そこに親は必要とされていません。

 でも公園に行くと、遊具の周囲に子どもよりも大人がわんさかいて、まるで遊具を取り囲むようにしてみんな我が子に寄り添っています。

 はっきり言います。あれは異様です。

 僕は息子に付き合える日があれば、できるだけ男の役割として体力を使う子守を買って出たいと思っています。

 その辺はお母さんには大変ですから。

 いやもちろん体力自慢の女性もいると思います。

 変な意味ではなくて、より肉体的な消耗の大きい場面は男性が引き受けるべきだと思っているだけです。

 

▼大人が子らの世界を窮屈にしていませんか

 この10年ほどで、子ども同士の人間関係におけるトラブルみたいなものがどっと増えました。

 学校のクラス、部活動、遊び仲間、もっと小さい子なら保育園や幼稚園、色んなコミュニティがありますが、それぞれにやったやられたの小競り合いで大人や学校、果ては教育委員会まで巻き込んだ騒動を巻き起こす事例が後を絶ちません。

 本当に子どもらの世界で、それほど頻繁に大きなうねりが起こっているのでしょうか。

 

 実際は、子どもよりも大人のほうが我が事のように憤り、当事者である子ども自身を押しのけて「けしからん」「いかがなものか」と、事を問題化させたがっています。

 部活動でも、そこは子どもらの聖地であるはずなのに、どうしてか保護者が意見をして運営の在り方、チームの方針をつくろうとするケースがあります。

 我が子のためとか、子どもが安心して日常を送れるように、などを口実に、すべて大人が自分たちの意見で子の生き方を決めようとしているのです。

 それを、なんと公園の大型遊具で確信しました。

 

▼子が遊ぶ場所に、大人が入っていくのは反則です

 コロナによって週末の出張が減り、土日に家族と過ごせる時間が増えました。

 どうせならと息子を公園へ積極的に連れて行き、とくに1歳を過ぎてからは滑り台など遊具のある場所に行くようにしています。

 でも土日は人が多いですよね。僕らと同じようにしてたくさんの家族連れが公園へ来ています。

 とくに大型の遊具は子に人気ですから、たくさん集まります。

 子らが集まるとその親も一緒に集まって、それはそれはものすごい密集具合です。

 コロナの話をしたいんじゃないんです、子どもが遊ぶ遊具に大人も寄ってきて、結局大人の仕切りが入ってしまい、子が自分らの自由な感覚で遊べていません。

 

▼一人の子に一人二人の親の同伴

 なかには子を抱っこして、滑り台をスーッと降りていく大人もいます。

 僕は基本的に、外から傍観しています。

 本当はほったらかしておきたいのですが、なんせ人が多くて見失いそうになるので、遊具から数メートル離れた位置にずっと立っています。

 今の遊具は安全を考えて作られているので、遊具に上って脇から地面に落ちたりする危険はさほどありません。

 もしあれば、そこだけ気をつけるようにしています。

 正直に言って身長と年齢、また経験と運動能力の適正を見て遊ぶ場所を決めてあげれば、危ない場面はほとんどありません。

 なのに親は子から片時も離れず、手を繋いで誘導し、遊び方のあれこれを指示しています。

 

▼子の遊ぶルールは大人が決めるんでしょうか?

 よく「順番を守りなさい」「逆走禁止」なんて貼り紙があったり、付き添っている親がみんな口を揃えて、そのように子に注意を促します。

 ちょっと誤解を生じますが、僕は守らなくて良いと思っています。

 守る必要がないということではなくて、それはあくまで子どもらへ投げ掛けている言葉であって、それを受けて子どもら自身がどう行動するかなんです。

 そして子どもらが遊ぶ空間は、子どもらの聖域です。

 

 どういうことかって言うと、どこまでそれが守られるか、またときに悪くなったり改善されたりも含めて、すべて主体である子どもらで作り上げるものだということです。

 だから子に任せておけば良いと、僕は考えます。

 もしあまりにひどくなって座視できない問題が起こるようならば、管理者によって使わせてもらえなくなるだけです。

 

▼もう一つの理由があります。

 それは、本当にそのルールは子どもらにとって意味のあるものだろうか、ということです。

 みんな遊具が楽しくて、なんとも言えない良い笑顔と元気な声で遊んでいますよね。

 それぞれ自分が遊ぶことに熱中しています。周囲のことなどまるで気にしていません。

 子らは本当に「順番が違う」とか「反対から行くな」と、その行為を嫌がっているんでしょうか。

 もし滑り台を逆走して、上から滑ろうとしている子がいて、そうしたらその子らの間で何か声を掛けたりして回避しませんか?

 大人のように些細なことで取っ組み合いになったり尾を引いたりが、子どもの世界で起こるでしょうか。

 ひとことふたことあれば改善されますよね、きっと。

 よっぽど根性の曲がった子以外は、一度言われればもうしないし、最低限、人のいないタイミングで逆走したり、そんなものじゃないでしょうか。

 順番だってみんなある程度よく守っていますし、立ち止まって別の事に興味を示しているうちに、後ろの子が先にスーッと滑ることもあるでしょう。

 まだよちよち歩きの子は後ろから来た子に抜かされますけど、その子が抜かしていった子に対して怒りを覚えたりするでしょうか。

 そんなことよりも、みんな遊具をとことん楽しんでいます。人に対して「ルールが」「マナーが」なんて気を向けている子などいません。

 つまり気にしていないということです。

 気にしているのは大人ばかり。

 

▼だから大人はみな離れて、子どもだけしかいない空間で自由に遊ばせるべき

 勝手に大人が入ってきて、子どもの自由な空間を邪魔しています。

 もし小競り合いが起きても、けんかは両成敗。あまりにタチの悪いことは、お巡りさんに面倒を見てもらう案件です。

 でもそんなこと、遊具で遊ぶような幼児や小学生に起こりますか?

 子どもの世界に問題が起きているのではなく、部外者の親が勝手に顔を覗かせて口を出すようになり、そのためにどんどん居心地を悪くしているのだと、私たち大人は気がつくべきです。

 

 大人の都合が、子の生きる世界を狭くしています。

 どのように遊ぼうと、どこで遊ぼうと、誰と遊ぼうと、なにで遊ぼうと、それは遊ぶ本人が自由に決めることです。

 裏を返せば、その他の誰も口を挟む権利はありません。

 子の遊び場で起こる問題は、子らの手で解決させましょう。

 それを心配する必要も、介入する必要もありません。

 みんなちゃんと、自分で目の前のことに向き合っていますから。

 問題はなにも起きませんので、自由に子どもを遊ばせてあげましょう。